褒めるということ

昨日のエントリのコメント欄に書いてしまったのだが、今日仕事中にお客さんに褒められた。というか、褒められたのかどうかよくわからないのだが、お客さんは気分よく帰っていったのは確かだ。私も嬉しくて、つい関係ないエントリのコメント欄に書いてしまったりした(しかも2ch風味で)。そうしたら今日は、結局都合3回もお客さんに褒められた。自分としては特に普段と違った接客をしていたつもりはない。今日は朝9時半から夜9時20分まで働いてしまって、むしろ疲れが接客ににじみ出てもおかしくないと思う。



おそらくお客さんに褒められた私は、嬉しくなって無意識に仕事を丁寧にしたのだろう。意欲的にしたのだろう。最初に褒められたとき、意味がよくわからなかったのだが、とにかくそれは良いほうに作用した。考えすぎかもしれないが、最初のお客さんが、それを意図的にやったとしたらどうだろう。褒めるネタは特にないのに、とにかく褒めた。褒められた店員は、「接客は楽しい」ということを学ぶだろう。「ちゃんとやると評価してもらえる」ということを学ぶだろう。そうやって店員を育てれば、将来的に自分も気持ちよく接客してもらえるし、顔を覚えてもらえれば本も探してもらいやすいかもしれない。そんな思惑があったとしたら。



そんなことまで思ってはいなくとも、「人を褒めるといいことは多い」と体験として知っている人だったのかもしれない。自然な感じではあったが、必然性はなかった。「いいキャラですよね。ねえ?(と傍にいた他の店員に同意を求める)人間味があるっていうか、いいですよ。なんか、フェアな感じがしますよ。ありがとう」(多分文言はこのとおりではないだろうと思うが)そう言ってニコニコして帰っていかれた。



仕事が終わって更衣室で着替えながら同僚と「なんか今日お客さんによくねぎらわれてましたよね」「そうなんだよ、さっきも電話でほめられちゃってさあ」などと話しながら、上記のようなことに思い至って、ああ、と思ったのだ。あの人は、良い循環を作り出そうとしてくれたのではなかったか。



改めて、人を褒めよう、ただ善い事を成そう、と思ったのだった。良いことはつながってゆくのだ。